ディズニーランドへ行く前日は、できるだけ近くに泊まりたい。
朝5時に起き、眠そうな子どもを起こし、大量の荷物を持って電車を乗り継ぎ、舞浜駅へ着いた時点ですでにHPが半分。そこから一日中歩き回り、夜には親の方が「夢の国から現実の国へ帰りたい」と考え始める。
そんな事態を避けるために便利なのが前泊である。
しかし、舞浜周辺のホテルを調べると、日程によってはなかなか強気な価格が並んでいる。
「これはホテル代なのか。それともシンデレラ城の一部を購入する価格なのか」
そう思った人に提案したい。
ディズニーランドの前泊は、蒲田でいいのではないか。
蒲田には比較的安いホテルが多く、飲食店も豊富。そして川崎駅からは、東京ディズニーリゾートへ向かう高速バスが運行されている。
ただし、2026年7月時点では重要な注意点がある。
蒲田駅からディズニーランドへ向かう往路の高速バスは、現在蒲田駅を経由していない。

帰りはディズニーランドから蒲田駅まで直行できるが、行きは蒲田から川崎駅へ移動し、川崎駅発の高速バスに乗る形になる。ここを知らずに蒲田駅東口で待っていると、夢の国へ行く前に「バスが来ない国」へ迷い込むことになる。
蒲田前泊の最大の魅力はホテル代の安さ
蒲田には、ビジネスホテル、カプセルホテル、簡易宿泊施設など、さまざまな価格帯の宿が集まっている。
掲載時点の予約サイトでは、蒲田駅徒歩約30秒のイージーステイ蒲田が税込3,478円から、シティホテル弘城が税込4,400円からという料金例が確認できる。宿泊料金は日程や人数、曜日、予約時期によって大きく変動するが、安い日を狙えば1人4,000~6,000円前後の宿を探せる可能性がある。
ただし、最安価格だけを見て突撃してはいけない。
料金には、1名利用なのか2名利用なのか、個室なのかキャビンタイプなのかといった違いがある。家族連れなら、部屋の広さ、ベッド数、添い寝条件、バス・トイレの設備も確認したい。
とはいえ、蒲田は宿泊施設の選択肢が多い。舞浜周辺のホテルが高い日に、価格を比較する候補としてかなり優秀だ。
宿泊費を抑えた分、パーク内でチュロスを増やせる。
ただし、その浮いたお金を前夜の蒲田飲みで使い切る可能性もある。蒲田には居酒屋が多い。節約のために泊まったのに、メガハイボールと餃子で予算を溶かしてはいけない。
蒲田から川崎駅まではJRで一駅
現在、蒲田駅から東京ディズニーリゾート行きの往路バスには乗れない。そのため、蒲田に前泊する場合は、まずJR京浜東北線で川崎駅へ向かう。
蒲田駅から川崎駅までは一駅なので、移動自体は難しくない。
- ホテルを出る。
- 蒲田駅から電車に乗る。
- 川崎駅で降りる。
- 東口の高速バス乗り場へ向かう。
多少の移動は発生するが、東京駅で大きな荷物を抱えて京葉線へ乗り換えるより、分かりやすいと感じる人もいるだろう。
川崎駅からのバス乗り場は、川崎駅東口18番のりば。地下街から向かう場合は11番階段が目印として案内されている。
川崎駅からディズニーランド行き高速バスの時刻表
2026年7月時点で案内されている、川崎駅から東京ディズニーリゾート方面への時刻表は以下のとおり。
| 川崎駅発 | ディズニーシー着 | ディズニーランド着 |
|---|---|---|
| 7:05 | 7:50 | 8:00 |
| 7:35 | 8:20 | 8:30 |
| 8:35 | 9:20 | 9:30 |
運賃は、川崎駅から大人1,400円、小児700円。予約制ではなく、乗車時に現金、交通系ICカード、対応便ではクレジットカードのタッチ決済で支払う方式だ。
所要時間は時刻表上で約55分。
バスに乗ってしまえば、あとは座っていられる。電車のように乗り換えのたびに荷物を持ち、子どもへ「次で降りるよ」と繰り返し伝える必要がない。
ただし、高速バスは道路状況によって遅れる可能性がある。開園時刻や予約時間に絶対遅れられない場合は、十分な余裕を持つ必要がある。運行会社も、道路事情による遅延があり得ると案内している。
また、予約できないため満席リスクも考えておきたい。できるだけ早めに川崎駅へ到着しておく方が安心だ。
帰りはディズニーランドから蒲田駅まで直行できる
蒲田前泊で面白いのは、帰りの高速バスは蒲田駅に停車することだ。
ディズニーランドで一日遊んだ後、人間の体力はほぼ残っていない。
朝は「今日は閉園まで遊ぶぞ!」と言っていた人も、夜になると無言でベンチに座り、スマートフォンで帰宅ルートを検索し始める。
そんな状態で、電車を何度も乗り換えるのはつらい。
帰りのバスなら、東京ディズニーランドのバスターミナル・イースト10番のりばから乗車し、蒲田駅東口まで直接戻れる。
ディズニーランドから蒲田駅行きの時刻表
| ディズニーランド発 | 蒲田駅東口着 | 所要時間の目安 |
|---|---|---|
| 17:00 | 17:50 | 約50分 |
| 19:10 | 19:55 | 約45分 |
| 20:10 | 20:55 | 約45分 |
| 21:10 | 21:50 | 約40分 |
| 21:45 | 22:25 | 約40分 |
運賃は大人1,300円、小児650円。こちらも予約は受け付けておらず、現金、交通系ICカード、対応するクレジットカードのタッチ決済を利用できる。
帰りは蒲田駅まで座ったまま。
これは大きい。
一日で2万歩近く歩いた足にとって、「乗り換えなし」という言葉は、もはや魔法である。
なお、最終便はディズニーランド21時45分発なので、閉園時刻やショーの終了時間によっては利用しにくい日もある。最終便を逃すと、夢の国から電車乗り換えの国へ移動することになる。
蒲田には前夜の食事場所が大量にある
前泊先として蒲田が便利なのは、宿が安いからだけではない。
駅周辺に飲食店が多い。
羽根付き餃子、中華料理、ラーメン、とんかつ、大衆酒場、ファミリーレストラン、牛丼店、カフェ。夕食場所に困る可能性は低い。
家族で前泊するなら、蒲田名物の羽根付き餃子を食べてからホテルへ戻るのもいい。ディズニー旅行の前日に餃子を食べる必要があるのかと聞かれれば、特にない。
だが、蒲田に来たのだから仕方がない。
一方、翌朝が早い場合は飲みすぎに注意したい。
前日にメガハイボールを飲み、翌朝の高速バスに乗り遅れたら、ミッキーマウスより先に自己嫌悪と対面することになる。
蒲田前泊のデメリット
蒲田前泊にも弱点はある。
最大のデメリットは、行きのバスが蒲田駅から出ないことだ。以前の時刻表や古い記事には、蒲田駅発の便が掲載されている場合がある。しかし、現在の運行会社の案内では、東京ディズニーリゾート行きは蒲田駅を経由しない。
そのため、朝は蒲田駅から川崎駅へ移動する必要がある。
また、バスは予約制ではないため、満席の可能性がある。道路渋滞による遅延も考えなければならない。
絶対に開園前へ着きたい人、朝一番の人気アトラクションを狙う人、乗り物酔いしやすい人には、電車の方が向いている場合もある。
さらに、蒲田は舞浜の近隣ではない。
あくまで「宿泊費を抑えやすく、川崎発の高速バスを利用でき、帰りは蒲田まで直接戻れる」という選択肢である。
こんな人には蒲田前泊がおすすめ
蒲田前泊が向いているのは、次のような人だ。
- 舞浜周辺のホテル代を抑えたい
- 前日は羽田空港から東京へ到着する
- 荷物が多く、帰りの電車乗り換えを減らしたい
- 前夜に蒲田で食事も楽しみたい
- 開園直後に絶対入園することより、移動の楽さを重視したい
特に、帰りに蒲田駅まで直行バスで戻れる点は大きい。
パークで遊び疲れた後、蒲田駅へ到着し、近くのホテルへ歩いて帰る。そのままベッドへ倒れ込める。
翌朝は蒲田で朝ごはんを食べてもいいし、黒湯温泉で回復してもいい。
ディズニーランド旅行だったはずなのに、最後に蒲田の記憶が強く残る可能性はある。
安さ重視なら蒲田前泊は十分アリ
ディズニーランドの前泊先として、蒲田は十分に候補になる。
ホテルの選択肢が多く、安い日には数千円台の宿泊プランも見つけられる。蒲田から川崎へ一駅移動すれば、川崎駅からディズニーランド行きの高速バスに乗れる。そして帰りは、ディズニーランドから蒲田駅まで直行バスが運行されている。
ただし、繰り返しになるが、現在は蒲田駅発のディズニーリゾート行き往路バスはない。
行きは蒲田から川崎へ。
帰りはディズニーランドから蒲田へ直行。
ここだけは間違えないでほしい。
宿泊費を抑え、前夜は餃子を食べ、翌朝は川崎からバスで夢の国へ向かう。
舞浜前泊ほど華やかではない。
だが、蒲田には蒲田なりの合理性がある。
夢の国へ行く前夜くらい、現実に強い街へ泊まってもいい。

